【珪藻土の内装】魅力ある素材でぬくもり溢れる家づくり《つくば》
温かみのある自然素材の家。そんな家づくりに欠かせないのが、珪藻土です。最近はいたるところで珪藻土を見かけるので、よく知っている方も多いのではないでしょうか。
自然素材である珪藻土の魅力を知れば知るほど、これからの家づくりがもっと楽しくなるはずです。珪藻土を活かした家づくりの方法から長く付き合うためのメンテナンスの方法まで、珪藻土について詳しく見てみましょう。
コラムのポイント
・珪藻土とは、珪藻という植物性プランクトンの殻が化石になり、積み重なって固くなった土のことです。
・調湿効果の高さや断熱性、耐火性、温かみのある雰囲気など、家づくりに選ばれる魅力がたくさんあります。
・メンテナンスは基本的に水拭きを行わないようにしましょう。ほうきや掃除機でほこりを吸う、消しゴムでこする、漂白剤を使うといったように状況に合わせた対応が大切です。
・珪藻土の特徴を理解し、これからの家づくりに活かしましょう。
珪藻土とは?
珪藻土って何?という人は以前に比べると減ってきているのではないでしょうか。建築材として使われる以外にも、私たちの生活に多く密着したものになってきたからです。数年前からバスマットの代わりとして広まったのを皮切りに、今では石鹸を載せるプレートや保存食品の乾燥剤、消臭剤としても広く使われています。
他にも、珪藻土はリフォーム素材として使われたり、レンガに使用されたり、酵母を吸着する働きを利用してビールの濾過にも利用されたりと、幅広く活用されてきました。
珪藻土とは、珪藻という植物性プランクトンの殻が化石になり、積み重なって固くなった土のことをいいます。
珪藻は元々水中に漂っており、繁殖後に池の藻や赤潮の発生源として生きていきます。月日が経って屍骸となり、残った殻が水底に沈殿して積み重なっていくことで化石化します。その化石を原料としたものが珪藻土です。
珪藻土の主な成分は二酸化珪素で、ガラスなどと同じです。この珪藻土は日本各地約80ヶ所にものぼる場所で発掘することができます。有名なのは北海道や秋田、石川、岡山、島根、大分などです。
多くの場所で発掘されるものの、秋田県産や大分県産の大部分の珪藻土は、ビールメーカーのろ過装置として使われます。石川県産は、切り出し七輪としてほとんどが使われています。
建築材以外にも珪藻土には多くの用途があり、私たちの生活を陰ながら支えてくてれているのです。
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珪藻土の魅力と選ばれる理由
もちろん、建築材としても珪藻土は幅広く使われています。選ばれる理由として、次のような理由が挙げられます。
珪藻土の特徴は、調湿できることです。梅雨のジメジメした時期も、冬の乾燥した時期も、部屋の湿度状況に合わせて湿気を吸収したり放出したりしてくれます。この働きが、人間にとって快適な湿度の40~60%を自動で保ってくれるのです。
珪藻土には無数の小さな穴が空いています。直径は2~50ナノメートルで、穴の数は消臭効果の高い木炭の5000~6000倍ともいわれています。この穴が、目に見えない湿気を吸収したり吐き出したりすることで湿度を調整しています。
また、珪藻土は水も吸収するので、珪藻土に水を加えてもどんどん吸収するという働きがあります。
珪藻土は、熱伝導率がとても低い素材です。そのため断熱性が高く、暑い夏でも寒い冬でも、外の外気温を部屋の中に通しません。結果、冷暖房率を高く保つことができるので、冷暖房費を抑えることができます。
珪藻土は昔から七輪などに使われてきたように、耐火性が高い素材です。融点は約1,250℃にもなり、とても火に強いのです。
もし家事が起こったとしても、火が燃え広がるのを抑えることができますし、燃えたことによって有毒ガスが発生する恐れもありません。
臭いの原因となる科学物質の分子は、湿気によって臭いを発します。珪藻土にある無数の細い穴によって湿気を適度に保つ効果があるため、臭いを予防することができます。キッチンの生ゴミの臭い、トイレのアンモニア臭、といった気になる生活臭も取り込んでくれるため、室内の空気はいつも新鮮です。
また、臭いと共に発がん性物質と言われているホルムアルデヒドや、アレルギーの原因となるハウスダストも吸着し、無害なものへと分解する働きもあります。
珪藻土は、壁に塗った時に特有の塗りムラや質感があります。その質感が、家の中に温かみを生み出してくれます。この雰囲気によって、家の中で心地よく穏やかに過ごすことができるのです。
家主が求める質感を生み出すのは、もちろん左官職人のなせる技です。熟練の技が生み出す、丁寧な仕事にも暖かさを感じることができます。
珪藻土のメンテナンス方法
扱い方がわからない、割ってしまいそうで怖い…、という珪藻土ですがメンテナンスの方法はそこまで難しくはありません。基本的に、濡れた雑巾で全体を拭くというのは避けましょう。珪藻土にダメージを与え、大きなシミになってしまいます。
珪藻土に合った、状況別メンテナンス方法をみてみましょう。
珪藻土についたほこりは、ほうきやハタキで軽くはたいて落とします。また、傷をつけないように掃除機でほこりを吸い取る、という方法もあります。
手垢や鉛筆、何をこすったか心当たりはないけれど気になる痕は、消しゴムでこすって消すことができます。目立たない場所で試してから、気になる場所を消すようにしましょう。軽くこすることがポイントです。
汚れの状態によって落ちにくいこともありますが、これでほとんど汚れは落とすことができます。
コーヒーや醤油のシミは、目立たないものであれば水をかけて乾燥させる、という方法があります。1日に2~3回、霧吹きで水を吹きかけて乾燥させるということを繰り返します。2~3日繰り返していると、だんだんと目立たなくなってきます。
もしも汚れがひどい、大きいシミになっている、という場合は漂白剤を使います。柔らかい布に水で薄めた漂白剤を染み込ませ、シミを叩いていきます。そのあと水で濡らした布で同じようにシミを叩き、漂白剤を拭き取っていきます。何度か繰り返していると、落とすことができます。
消しゴムでこすっても、漂白剤を使っても汚れが落ちない場合は、サンドペーパーをかけて削りましょう。あまり目の粗くないサンドペーパーを使い、ゴシゴシと強くこすらずやさしく削り取流と汚れが目立たなくなります。
傷がついてしまった、ひび割れができてしまった、という場合は、珪藻土を追加で塗ることでカバーできます。
気になる傷やひび割れの部分に、水を霧吹きでたっぷりかけた後に珪藻土の粉を塗っていきます。指やヘラなどを使って塗り込んで行くと、綺麗に塗ることができます。しっかりと乾燥させると、跡形もなく綺麗になるはずです。
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内装は珪藻土でぬくもりを実現
自然素材の家は、温かみのあるやわらかな雰囲気が特徴です。その特徴を作り上げるのが、珪藻土です。特色や選ばれる理由を参考にして、これからの家づくりを進めていきましょう。
珪藻土を使った自然素材の建築実例も、ぜひご覧ください。
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